サクラサク

アトリエ・フィロンドール、ディレクターの渭原です。
浜松でも早い所はちらほらと桜が咲き始めました。
色々な花が開く季節、合格発表や新しい生活が始まる時期ですね。
毎年一年の早さをしみじみと実感します。
今回はそんな季節にぴったりの婚約指輪をお作りしました。
海外に駐在され、帰国をきっかけに現地で知り合った彼女を日本に迎えられるN様。
彼女の来日までに、日本らしさを感じる婚約指輪を用意したいとのご相談でした。
いつも身につけてほしいからと、ダイアモンドは飛び出さないように。
また、ダイヤは指輪の幅の中に収まるようにとのご希望でした。
MIORINGの『染唯(そめい)エンゲージリング』をベースにして、桜の花びらをデザインに入れるようにご相談をすすめました。
モチーフをお入れする方法は凹凸で表現したり、透かしで表現したり、手彫り彫刻するなどの方法がありますが、
今回は指輪のボリュームを考慮してレーザー彫刻でお入れすることに。
様々なデザイン案をお作りしました。
イラストでは素敵にみえても、実寸になるとイメージが変わってしまうのが指輪デザインの難しいところです。
なにしろ実際には2.5mmほどの幅の中で表現しなければならないため、細部が潰れてつながって見えてしまったり、鋭角部分が見えなかったりするもの。
20以上の原案をもとに様々なバランスで100以上のデザインを作り、「これだ」と思うものをお客様に実寸でご覧いただいて決定しました。
桜は左右対象に、手彫り彫刻は非対称に、レーザー彫刻と鏨彫り(和彫り)を組み合わせた婚約指輪です。
期日どおり、彼女の来日前にご納品できました。
「サクラサク」は昔の合格発表の電報メッセージ。
めでたい知らせを直接伝えるのではなく桜の開花に例えた、とても趣のある表現だと思います。
日本で新しい生活を始められるお二人の間にも、これからたくさんの季節が訪れます。
たくさんのサクラサクを、指輪とともに過ごされることをお祈りしています。